先天性心疾患 ファミリーハウス NICU 

出産後、退院して

それからは家は県外なために

NICUに通うには県外から通うのは現実的に無理。

 

県外から集まってきている患者が多いために

そんな患者家族のためにボランティアの方が運営する

ファミリーハウスというものの存在を知る。

1泊800円で家具家電、食器までそろっている。

主人と相談し私だけファミリーハウスに宿泊する生活を

送ることとなった。

予約制のため予約が取れないときは

近くに住んでいる知り合いが家に泊めてくれるなど

本当に周囲の方々の助けなしには

今の私たちはいない。

 

母乳は徐々に増えてきたのだがやはり乳腺が少ない、細いで

乳頭に白斑ができ乳腺炎を起こした。

ものすごい痛みと

あと何よりこのときの私が母親として唯一できることが

母乳を届けることだったから

もしも母乳がでなくなったら

私があの子にしてあげられることがなくなるという恐怖でいっぱいだった。

 

そこで知り合いに母乳育児を推奨している

とっても腕のいい昔ながらの助産師さんがいると聞き

そこへ駆け込んだ。

 

値段はそれなりにするけど

おっぱいマッサージをしてもらうと楽なった。

 

そこで指導されたことは

油、砂糖、刺激物、乳製品、肉類は禁止。

米、野菜、発酵食品のみの生活をするように言われた。

そして搾乳は2時間おき。

痛みを取りたい、母親として唯一の役割を果たしたい。

そんな思いで野菜生活を始めることとなった。

つらくはなかった。

いっぱいいっぱいだったからかもしれない。

 

決まりを守っているのに乳腺炎を繰り返す。

その助産師のところへいくと必ず聞かれることがあった。

「あら、お子さんは?どうして連れてきてないの」

心疾患があり入院中です—

何度も説明するのに患者さんが多いからか

毎回聞かれた。

古い助産師さんだから

おっぱいマッサージの腕は確かだけど

病気を知らないというかなんというか。

はっきりと言われた。

「あんたの血が汚いからよ!だから変なこどもが産まれてくる!」

 

心疾患だけではない。

障害とつく病気の原因はたいがい不明。

先天性心疾患だと胎児診断されたときからずっと考えている。

原因不明とはいうけどやっぱり私のせいなんじゃないか—

原因不明という言葉に黙って甘えていられないのが母親というものなのかと

今でも思い知らされる。

 

変なこども—

 

変なんかじゃないよ。

今の生きようと懸命に自分の運命と闘ってるよ。

その姿も知らないで。

悔しかった。

おっぱいを口から飲ませないから余計悪くなるんだとか

医療者が子どもをどんどん病気にさせるだとか

そんな自殺行為を進める助産師がいることの方が

どうなのかと思わせる内容の数々の言葉を浴びせられた。

重い心疾患のある乳児に無理やり直母をさせたら

どれだけ心臓に負担がかかるか

飲みたいだけ飲ませたら

どれだけ心臓に負担がかかるか。

負担がかかるだけならまだしも

命を落としかねない行為なのに。

 

とにかく聞き流すしかなかった。

キレイな栄養ある母乳を届けたいがゆえに泣きながら通った。

それと並行して

私は子どもの病気に関する知識を身に着けようと勉強を重ねた。

それでなくてもこの先が不安で

見えない不安に飲み込まれそうになるのが嫌で

見えない不安と闘うことが嫌できちんと子どもの病気と向き合い

自分ができることを増やそうと必死だった。

心臓病児の管理は母親の気持ちに相反するものが多い。

例えば母乳。

直接吸引するのと哺乳瓶とでは6倍の吸引力の差がうまれる。

それだけ直接おっぱいを吸う行為は体力を使う。

だけどおっぱいを飲んでもらうことって母親の役目とか絆になるとか

そんなイメージがある。

しかしそれができない。

また水分制限をかけることで

心臓への負担を軽減し心不全をコントロールしやすくなるため

水分制限は心不全治療に欠かせない治療法のひとつである。

赤ちゃんはおなかいっぱい母乳を飲んで寝るのが仕事。

それなのにもっとくれと泣く赤ちゃんに眠り薬を投与して

空腹をしのぐと同時に心臓を休める治療をする。

育児という観点からすると母親でなくとも堪える。

こういった状況を根本から理解し寄り添うというのは

初めて親になるママたち家族にとっては

さらにきついものがあるのかもしれない。

 

子どもの病気をきちんと理解し受け入れる。

障害児育児をするうえで

最も重要なスタートなのかもしれない。

 

 

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